ドイツの音大生って?~ハウスコンサート(独:Hauskonzert)編~

ドイツでのハウスコンサート 姉が書いた記事
わたし
わたし

こんにちは♪

現在は大学の夏休み中ですが、10月からはまた新学期が始まります。ピアノや室内楽、伴奏法など実技のレッスン以外は少し遅めに11月から始まるそうです。

すでに取りたい授業を登録して、11月からのスケジュールが大体決まりました♪オンライン授業も多いですが、気を引き締めて頑張ります。楽しみ!

さて、今回はドイツのハウスコンサート(Hauskonzert)について✨

「ドイツの弾き合い会って?」という記事でほんの少し触れたのですが、以前、ハウスコンサートにお呼ばれしてピアノとヴァイオリンのデュオを姉妹で演奏させていただく機会がありました。

とっても素敵で嬉しい経験だったので、その時の様子を思い出しながらハウスコンサートの魅力をご紹介します♪

ハウスコンサートって?

名前の通り、お家で開催されるコンサートの事です。ドイツ語でHauskonzert(ハウスコンツェァト)と書きます。日本では、ホームコンサート、サロンコンサートなどと呼ばれていますね。

大きなホールでのコンサートと違い小規模で、お客さまと演奏者の距離が近いことが特徴かなと思います。

コンサート後にティータイムなどがある場合も多いです♡

美味しいお茶菓子を片手にお客さま同士で、あるいは演奏者も含めてゆったりとおしゃべりをして・・・。うっとりしてしまう幸せなひととき。

お家でのコンサートって、煌びやかなホールでするのとはまた違った魅力があるんですよね。あたたかくて私は大好きです♡

ピンチヒッターで急遽参加へ

私たち姉妹も1度、ドイツでハウスコンサートにお呼ばれされたことあるのですが、その時はとっても急なお話で、お声がけいただいたのがコンサートの日の3日前の夜10時ぐらいでした。(練習できる時間は実質2日・・・汗)

もともと弾く予定だった方が体調が悪く演奏できないということで、その話を聞いた妹の教授が私たち姉妹へお話を持ってきてくださいました。

ですので、そのコンサートは妹(ヴァイオリン)がメインのプログラムだったのですが、たまたま私のピアノと妹のヴァイオリンで一緒に合わせて練習をしている曲があったのでそれも合わせて弾くことに。

私はその時、とってもタイムリーに大学の友人からハウスコンサートについての話をちらっと聞いていて、楽しそうだなあ、参加してみたいなあ!と思っていたので、突然舞い降りてきた素敵な巡り合わせにわっくわく✨

コンサートの日が月曜日だったため、その前の土曜日・日曜日にたくさん練習。

平日は激混みでなかなか取れない大学の練習室も休みの日になるとガラガラです。1日中部屋にこもって練習することができてラッキーでした♪

会場となるお宅へ向かいます。ドキドキ。

「少し早めに来て音だし練習していいよ~」とオーナーの方が言ってくださったので、本番よりも少し早めの時間にコンサート会場となるお宅へ向かいます。

学校から歩いて10分ほど。練習を終えて二人でドキドキしながら歩いていくと会場が見つかりました!素敵なお家が建ち並ぶ、静かで雰囲気のいい通りに面しています。

玄関の呼び出しベルを押して・・・。

私たち
私たち

Guten Tag!(こんにちは♪)

今日はお招きいただいて本当にありがとうございます!

オーナーの奥様
オーナーの奥様

Hallo, guten Tag!(こんにちは♪)

来てくれてありがとう。今日はとっても楽しみよ♡

ということで、お家にお邪魔します。

お家は明るい木の色がとっても素敵な木造住宅。旦那さんが建築家なので、多分このお家もご自分でデザインされたのだと思います。

どこにいても木の香りがふわっと漂っていて、ここに住んでいたらそれだけで自分の暮らしがふんわりと優しくなりそうだなぁなんて思いました。

ハウスコンサートの主催者であるこのお宅の奥様はとってもフレンドリーで気さくな方でした。

初めてのドイツでのハウスコンサートだったこともあり不安もありましたが、とても優しく接してくださりほっと安心しました。嬉しかったです♡

奥様曰く、このハウスコンサートは10年前に始めたもので今回が78回目(!)ということ。聴きにきてくださる方々は皆さん常連のお客さまで、奥様のお知り合いの方なんだそうです。

私たち
私たち

そんな歴史のあるハウスコンサートに参加させていただいて感激です・・!

最終確認。一緒に合わせて練習します♪

素敵なお家に一通り感激したら、早速本番に向けてリハーサルをします。

オーナーの奥様が練習のお供に、と美味しいお水を用意してくださいました♡

ピアニストは、常にその時その時のピアノに対応して演奏しないといけません。打鍵のタッチ、ペダルのかかり具合、音の響き、鍵盤の重さ・・・普段の練習で使っているピアノとは全然違うため、本番前のほんの少しのリハーサル時間がとっても重要になります。

また、ヴァイオリニストにとっても、弾く部屋が違うとその分音の響きが全然違うので、リハーサル時間というのはやっぱりとても大切。

一緒に合わせて弾いてみて、ピアノとヴァイオリンでどの音量バランスが一番良いか、音の響きなどを聴きながら最終確認をしていきます。

この時間、本番に向けてわくわくする気持ちとドキドキ緊張するのが混ざってとても高揚感が高まっています✨

開場の時間。お客さまがぞろぞろと入ってきました・・!

合わせの最終確認を終えたら演奏者は楽屋へ引っ込みます。

もうこれ以上音出しはできないので後はコンサートの始まりを待つのみ。

会場によっては楽屋にピアノがある場合も。そんな時は楽屋でも少し弾けます♪(ヴァイオリンなど自分で楽器を持っている場合も、音出しOKな楽屋であれば弾けますね♬)

今回は会場がお家ということもあり、楽屋と舞台がドア1枚で区切られているだけだったので、私たちはひそひそとおしゃべりをしながら静かに待機していました。

どれぐらいの人数の方が聴きに来てくださるのか全然知らなかったので、次々に増えていくお客さまの声を聞いて「結構たくさんいらっしゃってる・・?!今、〇〇人ぐらいかなぁ?」などと予想したり・・♡

そうこうしているうちに、コンサートの時間がやってきました。

コンサートのスタートです!✨

コンサートスタート!ドイツ語であいさつをしました

コンサートのはじまり♪

まずはオーナーの奥様が私たちの紹介をしてくださいました。

その時は私たちはまだ楽屋にいて会場の様子は見えないのですが、奥様が私たちのことを素敵に紹介してくださっているのが聞こえます。

そして私たちも楽屋のドアを開けて、いよいよお客さまの前へ上がります。

ガチャ。

想像以上のお客さまの数・・!(大体60人ほど?)

もちろん緊張もしますが、それよりも何より嬉しい!という気持ちがすごく高まりました!

席が足りずに上のフロアから覗き込んで見てくださっている方もいます。

急なお話だったけれど、演奏できるレパートリーがあって良かった!こんな機会をいただけるなんて、素晴らしいな・・♡

舞台に上がったらまずはお辞儀をします。

そして、私たちから緊張のご挨拶(ドイツ語)。


・・・というのも。

実は、リハーサルをしていた時にオーナーの奥様から、

オーナーの奥様
オーナーの奥様

演奏前にちょびっと自己紹介なんてしてくれたら、お客さまも嬉しいかも♡

と言われていました。

たしかに、お客さまと演奏者の距離が近いのがハウスコンサートの醍醐味。

私たちが何かほんの少しお話をすることで素顔をちらっとお見せできると、その場の空気も柔らかくなって、聴いてくださる方にとってもコンサートがより楽しいものになるかも!と思いました。

ですが、いきなりのアドリブではドイツ語でドイツ人に伝わるあいさつを話せる気がしません。

せっかくの機会なので、みなさんに伝わるちゃんとしたドイツ語を話したい!と思った私は、楽屋での待機時間に言いたいことをメモしていました。

妹

私はまだカタコトドイツ語だから、あいさつはお姉ちゃんよろしく~!♡

当時、妹はまだドイツにきて半年も経っていない、というころ。

いきなり大勢の前でドイツ語でお話するのは難しいので、自分の名前だけ自分で言ってもらってあとは私がお話しました。

メモを見て話すのはあまり良くないと思ったので、頭の中でさきほど考えたことを思い出しながら話しましたが、準備のおかげか何とか伝えたいことをちゃんとお話できました♡

来てくださっている方のほとんどがご高齢のおじいちゃん・おばあちゃんという感じ。言っていることを理解してもらうために、できる限りはっきりとゆっくり話すことを意識しました♪

こちらの一生懸命さが伝わったのか、優しい笑顔のなか和やかにコンサートスタート。

はじまりはじまり~!

プログラムの中にはちょっと長い曲もあり、途中眠たくなってしまうかな・・とも思っていましたがそんなことは全くなく(驚き!)、みなさんとっても真剣に聴いてくださいました。

嬉しかったです。

演奏後はティータイム♪

拍手喝采の中、演奏は無事に終了。

すごく近くにお客さまがいらっしゃるので、普段のコンサートよりも緊張した気がします💦(笑)

オーナーの奥様から素敵な薔薇をいただきました♡

聴いてくださった方々から良かったよ~!素敵だった!また聴かせてね♡などとたくさんの嬉しい言葉をいただき私たちはもうホクホク。楽しんでいただけたようで良かったです♪

自分たちも楽しかった!♡

そしてそしてなんと!オーナーの奥様手作りのとっても美味しいケーキをいただけることに!

全く予想していなかった嬉しいサプライズ!

食べることが大好きな私たちは思わず喜びの舞です♪

奥様曰く、ハウスコンサートの時はいつもこのようにしてコンサート後にお茶会をしているんだそう。

いらしてくださったお客さまたちも一緒に、楽しいおしゃべりのお時間です。

お洒落なお酒もたくさんの種類が用意してあって、普段お酒を全く飲まない私たちもただただそのきらきらする色たちにうっとり。

美味しそうだなぁとは思うものの、やっぱりここは安全にということで我々はお水をチョイス。(笑)💦

普通のお水でも、コンサート後の解放感たっぷりな空気の中で飲むと一段と美味しく感じます!

奥様手作りの美味しいケーキを何回もおかわりして・・

とってもフレンドリーなお客さまたちと、たくさん笑いながら会話をたっぷりと味わいました。

おわりに

ドイツに来て初めて経験したハウスコンサート。

あまりにも素敵で幸せな空間で、私たち姉妹は二人ともすぐにハウスコンサートの虜になりました(笑)

実は、この夏も同じお宅でハウスコンサートを開催させていただく予定だったんですが、今年はコロナウイルスの影響でちょっと難しそう・・ということで中止になりました。かなしい・・。

とても残念でさみしいですが、またいつか演奏させていただけることを今から楽しみにしています♪

今回ご紹介したハウスコンサートはいわゆる”普通のクラシックコンサート”でしたが、音大に通っているとバイトとして演奏のお話をいただくことも多くあります。

80歳のおばあちゃんのお誕生日パーティーで、30分ぐらいのクラシック曲を演奏してほしい

銀婚式で、華やかな明るい曲を2-3曲演奏してほしい

企業のオープニングセレモニーで15分ほど演奏してほしい

・・・などなど。

ほかにもたくさんありますが、その中で自分の条件に合うものがあれば実際に演奏させていただくこともあります。

いただける額が結構大きく、苦学生としては本当に本当にありがたいですね。

いずれそのことについても記事にできたらと思います♪

それでは今回はこのあたりで。

暑い夏もそろそろ終わりが近づいてきているでしょうか?

皆さま、お元気にお過ごしください♡

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