再び、バロック音楽のお話です♪
17/18世紀頃、ヨーロッパでのピアノの音楽教育はどうなっていたんでしょうか?
まず、現代のピアノ教育がどのようになっているかざっくりまとめてみると・・・。
多くの場合は、
(※音楽家として将来活躍したいと思っている場合)
小さい頃から教室に通ってピアノの個人レッスンを受けた後、音高・音大に入りそこでまたピアノのレッスンを受ける。
ソルフェージュ・音楽史などの授業もある。
ざっくりしていますが、世界的に見てもどこの国も大体同じようなものだと思います。
特徴としては、とにかくピアノに集中!練習・練習・練習!ということです。
・・・笑💦
ちょっと大袈裟かもしれませんが、よりよい演奏ができるように日々試行錯誤を重ねながら練習に没頭しているという事を考えると、大体合っていると思います。
大学で受ける授業の中でも、やはりピアノのレッスンは一番重要です。絶対に欠かすことはできませんし、私はその為にドイツに留学しました。
それに対してバッハの時代はどうだったかというと・・・
音楽を学びたいと思った者は教室や大学に通うのではなく弟子として師匠のもとで住み込みで暮らしていました。
他の仲間たちと一緒に師匠も交えて共同生活をしていたんですね。
つまり!
弟子たちは、師匠がどのようにして作曲をしているか・ピアノの練習をしているか・人に教えているか・即興しているか・・・などを全て間近で見ることができたのです。
だからこそ、数百年経った今でも当時の弟子たちが書き残した楽譜を見ると、その師匠(例えば J.S.バッハ)が弟子たちにどのように教えていたか、どのように弾いていたかなどを知ることができるのです。
そしてもう一つの大きな特徴。
それが、当時のピアノ教育ではピアノ実技のレッスンだけでなく「作曲」と「即興(演奏)」のレッスンもあったということ。
つまり、当時ピアノを習っていた人というのは、
ーピアノ演奏法
ー作曲(通奏低音や対位法など)
ー即興演奏
この3つを同時に学んでいたのです。
ピアノの練習・レッスンが1番重要視される現代の音楽教育とは大分違いますね。
今でももちろん通奏低音や対位法については音高・音大で習いますが、それはあくまで週に1回程度の短い授業。小さい頃から受けてきたピアノのレッスンと比べると、その量はお米粒ほどの割合です。
(そうはいっても、知らなかったことをたくさん学べる授業はどれも新鮮で楽しいですけどね♪)
もしも私が、ピアノのレッスンと同じぐらい作曲・即興のレッスンを小さい頃から受けていたらどうなっていただろう・・と考えてしまいます。
しかも、週に1回のレッスンではなく師匠の家に住み込みです。(ヒィッ・・!)
時代と共に音楽教育の形が変化していき
「ピアノの練習・レッスンが特に大事だ!」という考えが広まったからこそ素晴らしいピアニストがたくさん誕生したわけで、
その演奏の多くを気軽に聴くことができる今の環境に幸せだなとしみじみしつつも・・・
作曲・即興の分野において、バッハの時代を生きた人々に比べると今の私はほんの少ししか学べていないんだな・・と思うとちょっぴり残念💦なんて思ったりします。
そうはいっても、対位法などは音楽理論の授業でよく取り上げられますし(明日も3時間、音楽理論の授業がある♪)、即興演奏についても今期から1年間授業を受けます。
学べるチャンスを最大限活用し、それらを思いっきり吸収して自分の音楽に生かしたいです✨
そういえば、この記事のトップ画像の彼 、誰だか分かりますか?
ヒント:18世紀の音楽教育(特にピアノに関して)を語るに欠かせない人物です。
いずれ、彼についても少し書けたらなと思いますので答えはその時に♪