ドイツ音大|【解説】機能和声(Funktionstheorie)を簡潔に!分かりやすくまとめてみた。~基本編~ 

ドイツの和声理論を解説! 姉が書いた記事

・Funktionstheorieって何?!Spってなんの略?!

・ドイツ音大バチェラー受験の入試問題(和声課題)が分からない・・・

・ドイツの音大に入ったら音楽理論の授業で知らない単語がたくさん出てきた

など、ドイツ式和声理論「機能和声理論(Funktionstheorie)」にお悩みの方、多いと思います。日本で習うものとは考え方が全然違うので、かなりややこしいですよね・・泣

今回はそんなFunktionstheorieの機能についてそれぞれ解説していきます!

まずは基本編。

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機能和声(Funktionstheorie) 基本のルール

1.書き方

Dur(長調)は大文字で、Moll(短調)は小文字で書きます。

例)長調のトニカ⇒T

例)短調のトニカ⇒t

2.和音の種類

特に数字が付いていなければ、それは転回無し・基本形の三和音ということです。

※七の和音や転回形の場合、アルファベットの周りに必ず数字や記号などが付きます。

3.和声進行

どんな時もT→S→D→Tの順番を守ります。

OK! 例)T→D→T、T→S→T など

NG! 例)D→S→T、S→D→S など

主な機能3つ

T/t (Tonika トニカ)

S/s (Subdominant ズブドミナント)

D/d (Dominant ドミナント)

それぞれ説明していきます。

T/t(Tonika トニカ)

Ⅰ、1度。

・C-Durの場合:ド・ミ・ソ

・a-Mollの場合:ラ・ド・ミ

S/s(Subdominant ズブドミナント)

Ⅳ、4度。

・C-Durの場合:ファ・ラ・ド

・a-Mollの場合:レ・ファ・ラ

D(Dominant ドミナント)

Ⅴ、5度。

・C-Durの場合:ソ・シ・レ

・a-Mollの場合:ミ・ソ・シ

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平行和音 (Parallelklang パラレールクラング)

主となる音・和音の平行調の三和音

平行調とは

  • ある長調に対して同じ調号の短調。例: ハ長調に対するイ短調。
  • ある短調に対して同じ調号の長調。例: イ短調に対するハ長調。

Wikipedia「関係調」より)

平行調(paralleltonart)の見つけ方

・Dur (長調)の平行調 ⇒主音の短三度下

・Moll(短調)の平行調⇒主音の短三度上

Parallelklangを使った機能 代表例

Tp/tP (Tonikaparallel トニカパラレール)

Sp/sP (Subdominantparallel ズブドミナントパラレール)

Dp/dP (Dominantparallel ドミナントパラレール)

書き方(※例外あり)・長調の場合
頭文字を大文字、2文字目を小文字で表記
(例)Tp
・短調の場合
頭文字を小文字、2文字目を大文字で表記
(例)tP

中級者向けメモ
機能和声(Funktionstheorie)では、長和音(Durの和音)を大文字で、短和音(Mollの和音)を小文字で表します。

それぞれ説明していきます。

Tp/tP(Tonikaparallel トニカパラレール)

主音(Tonika)の平行調三和音。

・C-Durの場合(Tp):ラ・ド・ミ

・a-Mollの場合(tP):ド・ミ・ソ

Sp/sP(Subdominantparallel ズブドミナントパラレール)

Ⅳ、4度(Subdominant)の平行調三和音。

・C-Durの場合(Sp):レ・ファ・ラ

・a-Mollの場合(sP):ファ・ラ・ド

【STEP1】Subdominantを探す。

Subdominantは主音から4度上なので、a-Mollの場合はd-Moll。

【STEP2】Subdominant(d-Moll)の平行調(Paralleltonart)を探す。

d-Mollの平行調はF-Dur。

つまり、a-MollのsPはH-Durの和音、ファ・ラ・ド

Dp/dP(Dominantparallel ドミナントパラレール)

Ⅴ、5度(Dominant)の平行調三和音。

・C-Durの場合(Dp):ミ・ソ・シ

・a-Mollの場合(dP):ソ・シ・レ

【STEP1】Dominantを探す。

Dominantは主音から5度上なので、C-Durの場合はG-Dur。

【STEP2】Dominant(G-Dur)の平行調(Paralleltonart)を探す。

G-Durの平行調はe-Moll。

つまり、C-DurのDpはe-Mollの和音、ミ・ソ・シ。

対和音(Gegenklang ゲーゲンクラング)

平行和音(Parallelklang)の反対

長調⇒主となる音・和音から長3度上の短三和音

短調⇒主となる音・和音から長3度下の長三和音

書き方(※例外あり)・長調の場合
頭文字を大文字、2文字目を小文字で表記
(例)Tg
・短調の場合
頭文字を小文字、2文字目を大文字で表記
(例)tG

中級者向けメモ
機能和声(Funktionstheorie)では、長和音(Durの和音)を大文字で、短和音(Mollの和音)を小文字で表します。

Gegenklangを使った機能 代表例

Tg/tG (Tonikagegenklang トニカパラレール)

それでは解説していきます。

Tg/tG(Tonikagegenklang トニカゲーゲンクラング)

長調⇒主音(Tonika)から長3度上の短三和音

短調⇒主音(Tonika)から長3度下の長三和音

・C-Durの場合(Tg):ミ・ソ・シ

・a-Mollの場合(tG):ファ・ラ・ド

おすすめの参考書

ドイツ音大の受験を考えている方全員におすすめしたい本がこちら。

ドイツ音大留学におすすめの本

「音楽のためのドイツ語辞典」/ 市川克明著

私がドイツ音大のバチェラー受験をしたとき、インターネット上にはドイツ和声の日本語解説だなんてどこにもありませんでした。(今でもほとんどありませんが・・・。)

ドイツ語能力もまだまだ初級レベルの私がどうすれば入試の筆記試験(ドイツ語での音楽理論&和声課題)をパスできるだろう・・・(泣)と途方に暮れていたそんなとき、ドイツに住む日本人の方からの紹介で出会ったのがこちらの本。

辞典といってもアルファベット順にただ言葉の意味が羅列してあるわけではなく、ドイツ音大に留学する人なら必ず使うような言葉たちが写真やイラスト付きでとても丁寧に説明してあります。

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音楽理論の解説以外にもドイツ国内の各地音楽名所の紹介や、独特で分かりやすい発音表記、随所に散りばめられているヴィオラジョーク(!)などバラエティに富んでいるので、ただ見ているだけでも楽しい本です。

みなさんも、本場ドイツの音楽事情をチラッと覗いてみませんか?

まとめ

Funktionstheorieは日本の中では馴染みが薄く、インターネット上の日本語解説も非常に少ないです。受験の時、ドイツ語の解説サイトを読み解くのに苦労していたな~と思い出しました。

数年前の私と同じように切羽詰まっている方、途方に暮れている方の助けになれたら嬉しいです。

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