音大の入学式 in ドイツ?

大学生活・日常
わたし
わたし


去年の4月に入学した私。もう大学生活前半が終わりそうです、時間が経つのが早い!

ドイツの音大に入学式はあるのか

ところで、ドイツの音楽大学の入学式ってどんな雰囲気なのでしょうか。

これまでの日本で暮らしてきた経験からすると、入学式には大抵たくさんの新入生と先輩方、先生方や保護者の方々が集まります。そして校長先生から挨拶があったり先輩方から励ましの言葉があったり。

先生方から長いお話があったりずっと同じ場所に立って/座っていなければいけないなど、厳かで緊張するイメージ。

ドイツの音大に入学するまでは、ドイツの音大というとこれのドイツバージョンを想像していました。多くの人が集まる大掛かりなものであるに違いない、と。

ところがどっこい、いざ大学からの「この日に入学式っぽいものをするから新入生の皆は○○時にここに来てね~」みたいな軽いノリのメールを読んでその通りに指定された場所へ向かうと(もう既に日本とちょっと違う)

あれ、12,3人くらいしかいない。。しかもその他には誰もいない、先生たちは一体どこへ?余りの少なさに驚きです。来た場所を間違えたのか、と思ってしまうほど。

予想していた入学式のかけらもなく、そこにはここに呼び出されたけど何となくどうしていいのかよく分からない新入生らしき人たちの姿が。

どこに座るのかも決まっていないので、みんな適当にその辺に座ります。すべてが緩くて決まりがなさ過ぎて逆に不安になるほどです。

椅子に座って辺りを見回すと、微妙にヨーロッパ系とアジア系などに分かれているのに気が付きました。

知り合いがいなくて心細いと、言葉が分からなくても同じアジアから来たなら何となくもう知り合いだという気持ちも出てきます。と同時に、何も言わなくてもひょっとしたら何か伝わるのではないか、という期待感も。

(私が通っている音大はインターナショナルで、外国から来た留学生の数も全学生の半分くらいを占めるほど多いのです。音大のホームページによると、大学には50か国もの国々から集まってきた若者が学生として在籍しています。)

入学式もどきが始まった

朝の10時頃だったのでしょうか、予定時間の数分前くらいから後からまた10人くらいホールに入ってきました。その中には学生ではなさそうな人たちの姿も。急に人数が増えた印象です。

私たちが集まった場所はホールと言っても体育館のような大きなものではなく、どちらかというとプチコンサートに向いているようなこじんまりとしたホールです。椅子も自分たちで並べていきます。

ホールの様子や集まっている人たちの表情などをぼーっと眺めていると、学生と思われし人がマイクを持って前に立ちました。

「新入生の皆さん、こんにちは。○○大学へようこそ!これからみんなにざっくり大学のことを紹介するよ~」

彼女は大学内の生徒会(?)の会長みたいな役についているらしく、軽く自己紹介をした後にこの音大の歴史や特色、学べることなどについてざっくりと説明してくれました。

全部の説明を合わせても10分に満たなかったのではないでしょうか?短い!

中学や高校の時と違って堅苦しい雰囲気は全くありません。体育座りをして聞く必要もありませんし、笑いが起こる場面も多いので、時間があっという間に過ぎていきます。

ここが日本ではないことを実感させられます。

音大ならではの図書館 

会長が一通りの説明をしてくれた後で、図書館の説明に移りました。マイクが図書館司書の方に移ります。

「我が大学には数万点を誇る楽譜が図書館にあり、学生たちはいつでもそれらを借りることができ~(以下略)」

さすが、図書館を知り尽くしている図書博士のような方なだけあって図書館への思いがアツい!多分入学式であった全ての説明のなかで一番長かった説明は、こちらの図書館への説明ではないでしょうか。

どうやったら本/楽譜/DVD,CD…etcを借りられるのか、返却期限は延長はできるのかなど基本的な説明から、どのように本を選べばいいのか、どんな時に図書館が役に立つのかなどのお役立ち情報まで沢山紹介してくださいました。

あれ、ドイツ語で説明を受けているだんだん眠くなってきたような。。汗

この時だんだんと襲ってくる眠気とは裏腹に、これからこの調子で授業をすべてドイツ語で受けなくてはいけなくなるのかと思うとちょっと冷や汗が出てきていました。

はたして私は授業内容についていけるのか、授業中に何が分からなかったのか把握できるのか、この図書館司書の方のようにものすごく早口で何かを説明されたらどうしよう。。

これから待ち構えている大学のドイツ語での授業を想像すると、様々な不安要素が頭の中に浮かんでは消えていきます。

そんなことを考えながらぼーっとしていると、気が付くとその長い図書館の説明も終わってしまっていました。

この時はあんまりお話を集中して聞けなかった。。でも大丈夫、今現在大学の図書館をちゃんと活用できています!できているはず(^^;

大学内を見学する

大学に関する一通りの説明が終わったら解散!

ではなくて、今度は大学内を他の新入生と一緒に見学します。

「ここは大ホールの裏側で、普段は演劇科の衣装だったりを保管してるんだ」「ここは、食堂。お昼になったらここに来れば安くておいしいものが食べられるよー」「ここは練習室。練習室の取り方について詳しいことは受付の人に聞いてね」

などなど、引率してくれる人が色々教えてくれます。そしてみんなはその後をぞろぞろ付いていく。ほとんど全員知らない人同士なので、ひたすら静かに説明を聞いて移動します。この様子は親ガモの後を付いていく小ガモのよう。

このちょっと緊張した「あんまりワイワイしちゃだめだよね」みたいな雰囲気は、いかにも全てが初めての新入生!って感じです。

入学式が終わったあとのご褒美

大学内の見学が一通り終わると、また元のホールへ。

するとなんてこと、入学式が始まった時にはなかったリンゴやブドウやクッキー、飴玉、クラッカーなどがきれいにお皿に並べられているではありませんか✨

果物が大好きな私にはたまりません。

炭酸やオレンジジュースなどの飲み物もありました。ホールがちょっとだけ飾りつけされていて、気分はパーティー会場に呼ばれたみたいです。さっきまで色々考えていた大学の授業に関する漠然とした不安も、美味しそうな食べ物を前にどこかへ消えてしまいました。

美味しいは正義。

「好きなの食べて飲んでね~」と入学式のスタッフさん(?)から言われてさっそくリンゴをいただきました。美味しかったなあ。

大学の説明を聞いたり一緒に大学内を見学したりしてちょっとだけ顔見知りになったお隣さんと軽く自己紹介をし合ったりして、一緒にこのこじんまりとした小さなパーティーを楽しみます。

「こんにちは!はじめまして、私の名前は○○です。あなたのお名前は?」

「どこから来たの?」

「何専攻してるの?」

こういう自己紹介は高校の入学以来でしたので、とても久しぶり。高校の時とは違ってお互いの年齢も国もバラバラですが、音楽という共通した打ち込むものを持っているからか、初対面から既に一緒に練習を励んできた仲間感が

ちなみにこの時に出会ったコントラバス専攻のルイーザは、その後のドイツ語コースで一緒にドイツ語を学んだこともあり、今でも私の大事な友達です☺

そして新しい大学の仲間に

私の通っている大学は、こじんまりしています。大学内を駆けずり回ったとしても2、3時間ほどあれば全部見て回れるのではないでしょうか。

そんなミニサイズな大学内では、毎日誰かしらと顔を合わせます。どんな専攻の人たちとも何かしらの接点があるので、1年経つ頃にはほとんど全員と顔見知り以上の関係になる感じです。

みんなで一緒になって同じところを目指して練習する毎日。

大きな大学とはまた違う、全員が家族の一員のようなきゅっと濃い学生生活です。

そんな大学生活の第一歩だった入学式も、いろんな国から来た人がいて新鮮だったなあ~と振り返ってみて懐かしくなりました。

今はコロナの影響で大学内はマスクの着用が義務付けられており、食べ物をホール内で提供だなんてとんでもない!常にマスク、手洗い、人との距離は1.5メートル!という厳しい雰囲気が。

いつかまた元ののんびりした大学に戻れたら、そしてその時に入学してきた新入生たちが当時の私と同じようにホールで美味しい果物でも食べながら新しい仲間と楽しくお喋りできたら良いなあと思います。