こんにちは♪
ドイツ在住、オンライン学びの場「シャッフェン!」のピアノ講師です。
本日は、ブルグミュラー作曲25の練習曲から第1番「すなおな心」の解説をしていこうと思います✨
「すなおな心」は全25曲あるブルグミュラーの練習曲集Op.100の第1番。
ハ長調・4分の4拍子で1番にふさわしい、明るく爽やかな曲調となっています。
それでは早速みていきましょう♪
「ブルグミュラー:すなおな心」練習方法 解説♪
この曲は、全体を通して8分音符の流れるような滑らかな動きが特徴的です。
1小節目から右手で8分音符の動きが始まりますが、1音1音「カタカタ」と鳴らないように気を付けながらなめらかに柔らかく弾くことがポイントです♪
8分音符を滑らかに柔らかく弾くために・・
POINT1 それぞれの音を繋げて弾く
POINT2 全部を同じ音量で弾かない
この2つをまずは意識してみるといいでしょう(*^^*)
・・といっても、どうやって意識したらいいの?
という疑問も出てくると思います。
それぞれ詳しく説明していきますね♬
【POINT1】レガートって?音をなめらかに繋げる方法
まず1つ目のポイント「それぞれの音を繋げて弾く」について♪
この曲では「レガート」という奏法を使って、音をなめらかに繋げて弾くことができます。
せんせーい!レガートってなんですかー?
はい!
レガートというのは、ピアノ演奏でとても良く使われるテクニックの中の1つで、ウィキペディアを見ると
連続する2つの音(通常音の高さは異なる)を途切れさせずに滑らかに続けて演奏すること
「レガート」出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
と、書かれています。
音を滑らかに続けて演奏する・・・
おや?ほかにも同じような意味の言葉があった気がしませんか?
そうです!
似たような意味で「スラー」という言葉がありますね。
この2つの言葉、それぞれよく似ているようですが、実は異なる意味を持っています。
簡単にいうと、
レガート・・・音を繋げて弾くという奏法、実際の弾き方、テクニック
スラー・・・2つ以上の音を繋げて弾いたときにできる音のまとまり、フレーズ、2つ以上の音と音を繋ぐ線
となります。
レガートの弾き方
レガート奏法の具体的な弾き方ですが、
音と音をただ単に繋げて弾くのではなく、次の音を弾くときに前の音をほんの少し押さえたまま弾くと、レガートがよりハッキリとします。
ただ、「レガート=音を被せて弾く」が絶対!というわけでもなく、特に滑らかにレガートで弾きたい箇所はその被せ方を大げさにするといいかな♪といった感じです。
このレガート奏法を「すなおな心」で応用するとどうなるか:
この図で伝わるでしょうか?😂
赤い線で伸びている間は、ずっと鍵盤を押さえているイメージです。
図をよく見ると、一瞬2つの音が被さる時間がありますね。
このように、2つの音をほんの少し被せて音をよりなめらかに繋げて弾くことでレガートを上手に表現できます。
「すなおな心」ではすべての音を大げさに被せて弾く必要はないと思いますが、一度レガートの感覚を掴めばほかの曲でも応用できますので、練習の時に試してみてみてください♪
個人的には、1拍目と3拍目の音を少し長く伸ばして弾くと、よりなめらかに聴こえて素敵かな~♡と思います。
イメージ:
細かい弾き方については、テンポによってもかなり違ってきます。
上の図で紹介している音の伸ばし方はあくまで私個人の好みですので、読者のみなさまはいろいろな弾き方を試してみて一番気に入った!という奏法で演奏してくださいね♪
スラーとレガートの違いを知らなくて恥ずかしかった話
ここから少しだけレガートにまつわる思い出話・・
(お急ぎの方はポイント2の解説までジャンプしてください♪)
実はこのレガートの弾き方、お恥ずかしながら私は大学に入るまであまり良く知らずにいました。
現在通っているドイツの音大に入って初めて、いろいろな授業でアーティキュレーションについて学び、その中で「レガート」についても教わり、ようやくスラーとレガートの違いを明確に理解したのです。
まだ大学に入ったばかりの頃、ショパンのエチュードOp.10-8をレッスンに持っていったときのお話です。
1曲を通して弾き終わった後に、教授に
「○○(私の名前)はこの曲、どんな風に弾きたい?」
と聞かれました。
もっと流れるように、長いフレーズで弾きたいと思った私は、
「フレーズを長く、レガートで流れるように弾きたいです」
と、拙いドイツ語で答えました。
(本当はスラーという言葉を使いたかったのですが、その当時はドイツ語で何と言うのか分かりませんでした・・💦)
そうしたら教授が、
「レガート?でも、楽譜にはレガート(legato)の表記はないよね。ショパンのエチュードは、ほとんどの曲でレガートの表記があるけど、この曲はレガート表記が無い数少ないエチュードの中の1曲だよ。」
と、おっしゃったのです。
なんてこと・・・・!!
その時初めて、スラーの弧線とレガートは別物だということをハッキリと理解しました。
たしかに、ほかのショパンエチュードを確認してみると、
(※全てエキエル版です)
【1番】
【2番】
【3番】
・・・
どの曲にも最初にレガート表記があるではありませんか。
それなのに、8番(Op.10-8)にはレガートの表記が無い・・・!
【8番】
スラーがかかっているからといって、必ずしもレガートという意味にはならないんですね。
このエチュード集では、曲によってレガート表記があったり無かったりするので、レガートに対するショパンの特別な意志・こだわりをヒシヒシと感じ取ることができます。
恥ずかしい経験と共に、スラーとレガートは違うということを勉強しました・・・。
今思い出しても穴があったら入りたいほどです。😭😭
・・ぐすん(泣)
とまあ、そういうわけで。
スラー と レガート は違うものなんだ~という事をなんとなくご理解いただけたでしょうか?
本当はもっと詳しく解説したいところなのですが、本来このページは「すなおな心の練習方法」を解説する場所ですので、このテーマに関してはまた別の機会に取り上げようかなと思います。
【POINT2】音量調節をして、音のデコボコをなくそう♪
さて、ポイント1「それぞれの音を繋げて弾く」が分かったところで、次はポイント2「全部を同じ音量で弾かない」について詳しくみていきましょう♪
全部を同じ音量で弾かないというのはつまり、
8分音符の音をそれぞれ同じ音量で弾かないという意味になります。
細かい話になってしまいますが、8分音符1つ1つに対してそれぞれにぴったりの音色・音量を見つけてあげることで、演奏の質がぐんと上がります⇧
「全てを同じ音量で弾かない」練習をして、丁寧な演奏を目指しましょう♬
さて、次からはその練習方法を具体的にみていきます!
1音1音丁寧に ~8分音符の音量バランス~
上の図をご覧になって、なんとなく「音量バランス」をイメージをしていただけるでしょうか?
あくまでこれは、「すなおな心」の表現について音量のみを取り出し、そしてそれを分かりやすく単純に描いたものになるので、実際はもう少し複雑なのですが・・
8分音符4つのグループの最初を出して、そのあと3つは段々と小さくしていきます。
こうすると、全部の音を同じ音量で弾いてしまうよりもメロディに波がついてより表現豊かな演奏になります。
・・といっても!
大げさにやりすぎると波のうねりが大きくなりすぎて、曲のタイトルにある「すなおな心」とはかけ離れたものになってしまうので、やりすぎにはお気をつけて♪
また、図を見ると分かるように(といってもほんの少しの微妙な差ですが💦)、1小節目のソミレドソミレドよりも2小節目のドラソファドラソファの方を大きく広がるように出してみると、よりいいですね(*^^*)
ブルグミュラー専用 進級コース
このように、「すなおな心」では右手の8分音符だけでも表現に関して出来ることがたくさんあります✨
ブルグミュラー:25の練習曲は、レベルこそ初~中級に振り分けられますが、その内容は盛りだくさん!
特に表現力・歌う心を養っていくのにぴったりの練習曲集です。
素敵な曲がたくさん収録されているので、是非、練習の際にはそれを存分に活かしてあげてくださいね♪
先生がいないからどのように表現力を身に付けていけばいいのか分からない・・・という方へ。
オンライン学びの場「シャッフェン!」では、ブルグミュラー:25の練習曲を1曲ずつ順に練習してく「ブルグミュラー進級コース(オンライン)」をご用意しています。
1曲につき10本前後の練習解説動画を見ながら自分のペースで練習を進めていきます。
Aタイプ・・月謝500円
コース内容:「ブルグミュラー:25の練習曲」を順番に1曲ずつ進めていきます。ご登録いただいた生徒さんは、ピアノ講師が作成した練習解説動画を1曲に付き10本前後視聴可能!動画を見ながら自分で練習を進め、曲が仕上がってきたら修了試験を受けます。合格したら次の曲へ進みましょう♪
Bタイプ・・月謝1,000円
コース内容:Aタイプ全ての内容にプラスして、更に月4回までテキスト添削を受けられます。「修了試験を受けるほどまでに曲はまだ仕上がっていないけど、先生のアドバイスが欲しい」と思った時に、専用の提出ボックスから自分の演奏動画を送信すれば、ピアノ講師から500文字程度のテキスト添削でお返事が送られてきます。独学で練習している方、お子さんの練習に具体的な演奏アドバイスを探されている方、ブルグミュラー専用の進級コースでもっと楽しくピアノを学んでみませんか?♬
新しい生徒さん、募集しています♪
最後までお読みいただきありがとうございました!♡