ドイツの音大で聴音の授業を受けている時、いつも不思議だなと思うことがあります。
月曜日にはいつも聴音と音楽理論の授業があります。
それはドイツ人の学生がいつも音を「ラより3度高いからド」とか「増6度上だから#ラ」とかそういうように音と音の間隔を聞き取って音を取っていることです。
音が分からない人がいたら、聴音の先生も「この音はさっきの音より短2度低いよ。ということは~?」というように教えています。
相対音感が優れている人が多いのかな、と思いました。
相対音感が優れていると、ピアノとヴァイオリンのデュオで~例えばとんでもなく音程の狂ったピアノに合わせて調弦しなければいけない時などにその狂ったピアノの音程に沿って全ての音を合わせて弾いていくことができます。
例えばギターとヴァイオリンとの合わせでは、ギタリストが443Hzに合わせていたら私たちもそれに合わせないといけません。普段440Hzに慣れていた場合は「うわ、高いな!」となります。
逆の場合もあり、私の教授のお部屋に置いてあるピアノのピッチが443Hzなので普段はそのピアノで調弦しているのですが、そうすると他の440Hzで合わせられたピアノなどと合わせる時には自分の楽器の音の高さに若干戸惑ってしまいます。
もしくは合唱などで全員2ピッチほど上げて歌うことにした時など、すぐにその音程と自分の音程を合わせることができます。
逆にこういう時に相対音感が全くないと、少し困るかもしれません。。もしくは周りの人が取っている音程と自分の絶対音感とのズレで気持ち悪く感じたり。
ドイツの聴音の授業では音程を当てる問題がちょくちょく出てくるのですが、その音そのものがどう鳴っているかという絶対音感的に聞く人はおらず、そうではなく音と音の間隔を音の響きから感じ取ってその音を当てるという方法をとる人が圧倒的に多い。
日本の音楽教育ではどちらかというと絶対音感を育てるためのレッスンなどを受ける人が多いのでは、と音高時代を振り返ってみて思ったのですが、ドイツでは相対音感を重視した教育を受ける機会が多いのかな、と感じています。
国によって音楽教育で受ける内容が様々なのは面白いです。