【#43】人前で弾くということ

大学生活・日常

先日ピアノの弾き合い会がzoom上でありました。

コロナの影響でホールでの弾き合い会は難しく、オンラインでの開催です。同じ大学にいながらお互いの演奏をパソコンの画面越しに聴くというシュールな場面も。

(↓私が今回の弾き合い会が終わって反省しているときの心理?)

本番を終えると色々考えが浮かんできます。あの箇所なんで間違えちゃったんだろうとか、思ったよりリラックスして弾けたな。。とか。

終わってしまった本番を振り返っている時、ただぼーっとしてたらたらと弾かれる名前のないものたちが短調になりがちなのは、私の本番に対する未練がましさの表れなのでしょうか?

最近ヴァイオリンの弾き合い会もあり人前で弾く機会が多かった1週間だったのですが、いつも本番になると普段の練習では期待していなかったことが良くも悪くも起こるのでハッと新鮮な気持ちになります。

人前で弾くときの自分の身体&精神状態は練習の時とはまるで違って、練習の時にこれだけ練習すれば大丈夫だろうなんて心のどこかで甘い気持ちがあると本番ではそれがばっちり演奏に表れてしまったり、逆に練習しているときに「なぜ自分はこんなに練習しているのにここの箇所がさっぱり上手く弾けないのだろう」と悶々としていたら、本番でフッとそれが可能になったりするので驚きです。

本番前はいつもドクンドクンと動悸がして喉の奥の辺りが閉まっていくような感覚を覚えます。身体に力が入ってしまい、「脱力しよう」と思えば思う程どんどんカチカチになっていってしまう。

特に自分の順番のすぐ前の人の演奏を聴いている時には身体がかなり強張っていて、楽器を構えて準備しているのですが手汗が止まらなくなります。

例えば本番のために手を手袋で温めていったり汗を拭くためのハンカチを用意したりしているのですが、精神的な部分が全く温められていないからか酷く身体が冷えている時よりも手が動かなかったりして。

本番で上手く弾きたい、いつもの練習よりもいい演奏がしたいと本来自分が持てる以上の欲が本番前に出てしまうと、「もっともっと」という気持ちだけが前に出てしまい精神的に焦ってしまうのかもしれません。

自分が設定した通りの練習をこなしていき本番では今まで練習してきたことだけを「本番でも発揮できるであろうこと」として設定すると、それは諦めの気持ちではないのですがどこか自分の中で本番で弾けるであろうライン、軸のようなものが見えてきて少しずつ気持ちが落ち着いてきます。

「ここまで練習してきた。これ以上のことは本番では起こらないし、逆にここまで練習してきたものがパーになるようなことにもならない。」そんな半ば淡々とした、悟ったような気持ちと共に身体の重心を下へ下へと降ろしていき、自分の身体のどこに力が入っていて自分の呼吸がどのようになっているのかを俯瞰するような形で本番前の精神的にひどく緊張した自分と上手に向き合えた時の本番では自分の力を思うように発揮できているように思います。

本番中に表れる自分の演奏に対する欲についてなのですが、普段の練習室とは全く違う響きの良いホールだったり演奏を真剣に聴いてくださるお客様だったりと、本番ならではの特別な空気感を心から感じた時、そしていよいよ曲が始まった時に「ああ、なんて素敵な空間なんだろう、今ここにいる誰も私の演奏に耳を傾けてくれている、ホールに自分の音だけが響いている、すべて自分だけのもの」などという若干ナルシスト的な思考が出てきます。

そうすると「いやせっかくの本番だし、ここはもっと大胆にのびやかに弾きたい」とか「ここちょっと煌びやかに華々しく」とか練習中にはなかった自分の演奏に対する注文が次々に浮かんでしまいます。

そして練習の時にそれらのことが思い浮かばなかったことや、本番中に思いついたアイディアを実行できるだけのスキルが身についていなかった時は自分に対してがっかりするし、悲しくなってきます。

たとえ同じ曲を同じように弾いたとしてもそれが本番だった場合結果として得られるものが毎回異なり、そういうわけなので練習もとても大事だけれど本番を重ねることも大事だよなあと改めて思います。

他の人の演奏を聴くのもとても良い機会です。他の人が今までどんな風に練習してきてどんな音を出して弾くのかとか、その曲に対する情熱など人の演奏を聴いているといろいろなものが見えてきて自分が弾いているわけではないのに聴いている自分も肩に力が入ってしまいます。

この間ヴァイオリンの弾き合い会があったホールはオーケストラのコンサートの時などにもよく使われているホールで、私自身も何度かそのホールで他のオケにのっているみんなと同じように弾いたことがあるのですが、完全なソロで一人でそのホールの舞台に立ったのはこの間の弾き合い会が初めてでした。

オケの授業の時に使われていた同じホールとは思えないほど緊張感が漂っていて、空気が張りつめていて舞台上の色が集中力と緊張感で濃く塗りつぶされたような感じ。神経が研ぎ澄まされて、息をするのを忘れそうになるようなあの空気感。

本当に普段の練習では全く味わうことができないものだな、と実感しました。

ところで皆さまはマジパンをご存じですか?アーモンドミールと砂糖が主な原料の、ドイツの伝統菓子シュトーレンに必ず入っているあのマジパン。

姉から弾き合い会が終わったご褒美にマジパンがたっぷり入ったチョコを買ってもらったのですが、最近ハマってしまっています。あれ、いつからでしょう。。2年前に食べた時にはあまり惹かれなかったはずなのに。

 マジパン独特の香りがたまりません。ドイツにおいてマジパンの聖地?のような認定を受けている都市から私たちの住んでいる街がとても近いためか、スーパーなどで気軽にとても美味しいマジパンを購入することができるのもマジパンファンになりつつある一因かもしれません。

ドイツといえばソーセージとビール、というイメージでドイツにやってきたのですが実際に2年程いてソーセージとビールを買ったことはほぼ無く(ソーセージは多分3回くらい、ビールは0回)、多分今後ソーセージとビールよりマジパンを買う回数の方が圧倒的に増える気がします。

マジパン入りのチョコレート。美味しかったなあ。

チョコレートというと、クリスマスシーズンになるといつもより輪をかけて可愛くなるので見かけるたびに惹かれてしまいます。

ドイツ政府がクリスマス休暇の開始をいつもより早めることについて会議したとか決定したとか、ドイツのラジオを聞いてそんなようなことを言っていたのですがやはり今年のクリスマスは制限が多いものになりそうです。

ワクチンに対しても賛成意見と反対の人とで意見がかなり分かれており、この状況がどれくらい経てば良くなるかも分かりません。。

今このような状況の中でホールでの弾き合い会等を経験することができたのは幸運だったなと思います。

授業やレッスンがオンラインでなく対面式に、そして練習室が以前と全く同じように使えるようになってくれますように。

なんだか話がコロコロ変わる、わたしの独り言日記のようになってしまいました。

明日はまたヴァイオリンとギターの合わせがあります。頑張ります。