【#27】モーツァルトの父親が書いたヴァイオリン教本

ヴァイオリン

先ゼメスターからヴァイオリン&ヴィオラ専攻の人のためのLiteraturkunde(文学)という授業を取っています。

今ゼメは、火曜日の午後19時15分から20時45分まであります。

こちらのセミナーで扱うのはヴァイオリンとヴィオラに関することー1700-1800年代にあったヨーロッパのヴァイオリン学校や、その当時ヴァイオリンを学ぶ人のために書かれた教本、当時超絶技巧で有名だった作曲家のヴァイオリンテクニックについて、などなど。

先ゼメスターで扱われた人物の中にはレオポルト・モーツァルトがいました。

レオポルト・モーツァルトはモーツァルトの父親です。彼の息子ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを世に知らしめた人物として名高いレオポルトですが、彼自身もザルツブルクの宮廷楽団の楽長を務めるなど優れたヴァイオリニストでした。

レオポルト・モーツァルトが世に遺した教本として、「ヴァイオリン奏法(独:Versuch einer gründlichen Violinschule)」があります。この教本はヴァイオリンを学びたい生徒に向けて書かれたというよりも、生徒に教える立場である先生がいかに生徒に誤りのない指導ができるか、という重点に沿って書かれた本と言えるかもしれません。

彼は当時のヴァイオリンの指導者が生徒に誤った教え方をしていることがしばしば起こっていることを嘆いており、それを改善すべくこの教本のあちこちに「生徒には~」と指導者が生徒にどう教えるべきか、ということが書かれています。

先ゼメスターのLiteraturのセミナーでは私はこの教本の第5章を要約することになり、こちら↑の日本語訳バージョンのを持っていなかった私はその当時使われていた古いドイツ語にかなり四苦八苦しました。。汗(課題で使われた古いドイツ語バージョンはこちら。)

私が担当した第5章では「弓をいかに巧みにコントロールするか」など弓の奏法について詳しく書かれており、言葉の言い回しには時代を感じるものの、彼が指摘していることはとても的を得ています。(例えばpだからと言ってただ弱く弾けば良いのではなく、pであればこそなおさらその出し方に注意を払わなければいけない、など。)

この教本は当時から重版され、その後も各国の言葉に訳されるなど大変な人気を集めたベストセラーでした。当時の印刷技術のことを思えばそれがいかに凄いことだったのかと想像してしまいます。

モーツァルトの作品を学ぶ上でレオポルト・モーツァルトのこの「ヴァイオリン奏法」はとても役に立つなと思いました。