毎年夏になると、私の住むドイツの小さな街に陶器市がやって来る。
それに初めて気がついたのはこの街に引っ越してきて1週間も経たないころ。
いつものように学校へ向かうその途中で、大きなマーケットが開かれていた。
快晴の空の下でたくさんの人が賑わっていて、なんだかチラチラとかわいらしいものが目に入る。なんだろうなぁと目で追いつつも、練習をしに大学へ向かった。
一通り練習を終えて大学からの帰り道。
まだマーケットが賑わっていた。
見てみると、色とりどりのお皿やコップ、置物など陶器の食器たちが市場にドーンと集まっている。
どうやら、ドイツ全国から陶器のお店が一斉にやって来たらしい。いろんなお店が出ていて、どれも個性豊かで魅力的だ。
太陽の下で食器たちがキラキラと光っていて、
この街に来たばかりの私は
「なんて素敵な街!ここではこんなにかわいいマーケットがよく開かれるのかな?」
なんて思いながら、お店を回っていった。
初めての一人暮らしがスタートするということもあり、”自分だけのお気に入りの食器” を探し出すぞ!という気持ちでわくわくだ。
ぐるっと一周まわると、特に好きだなと思うお店をいくつか見つけた。
そのお店たちを何回も行ったり来たり。
よ~くよく見て、値段も見て、本当に必要か自分と相談して、長く使えるか考えて・・
よし!買おう!
と決めた。
小さめのお皿3枚と、同じお店のマグカップ。
大満足だ。
数日後、同じ街に住む日本人の方から、この陶器市は1年に1回ほどの頻度でやって来る、ということを聞いた。
毎月のように開かれるのかなと想像していたので、貴重なチャンスを逃さず掴めた!と、とっても嬉しくなった。
あれから3年。
毎年7月になるとやってくるお皿マーケット(と、私は呼んでいる)は、今でも毎回楽しみにしている。
特に気に入ったものがあれば、お財布と相談しながら奮発しちゃったりして。
空っぽの食器棚がお気に入りのものたちで増えていくのを見て、にんまりしている。